2017年度ARTORO 1日講座 第2回
『わらでポシェット作り』
開催日時2017年12月3日
場所登呂博物館

わらを束ねて、縄を綯って。ポシェット作り

アートロ発、物づくりの1日講座。
2回目は「わらでポシェット作り」、講師は本間一恵さんです。

繊維などの有機物は土の中で分解してしまうので、残っているものはごくわずか。登呂遺跡の出土品にも、1.5cm角ほどの小さな麻布片しか出ていません。講師の本間さんは、縄文の人たちが作っていたかごの修復にも携わった繊維の専門家で、今回、わらから縄を綯い、編むところまでを教えていただきました。

参加者は15人。富士宮や、宮崎から(!)という人、小学5年生も。そろってわらを綯うところからスタートです。

実は、昨年3月と12月に縄を綯う体験をしています。みんな綯えるようになったけれど、太いしめ縄を一本作った感じ。

本間さん「みなさんのレベルはわらを撚ってるだけ。足して行くのがタイヘンで、それができないんじゃ、繩を綯うとは言わない。10mとか同じ太さで紐を作れなきゃ!」

それを踏まえて、今回は入念に準備をしました。
・一晩、わらを湿らせておく。
・根元に近いところから出ていた葉っぱを取る
・叩く
・取った葉っぱクズで、綯った縄をこする

一晩湿らせたわらの皮のような部分を取り除き、角材の上で横槌で叩きます。硬い根元の部分を念入りに。

本間さん「角材の角で叩くと繊維が切れてしまうので、気を付けて!」

叩いたわら4本を1組にして根元を縛り、足指に挟みます。4本を2つの束に分け、それぞれ手のひらで転がすようにひねったら、奥の束を手前に持ってきてクロスさせるイメージ。途中から新しいわらを挟んでいっしょにねじることで、どんどん長くしていきます。

縄を綯う時、気になるのはわらのチクチク。最初に取った根っこの方の皮クズで、ゴシゴシこするとチクチクせず、滑らかになりました。

素材作りが完成したら、その後、編む工程へ。

6月の試作では、重しを使って編む予定でしたが、本間さんか段ボール一枚あればできる方法を考えてくれました。段ボールに縄を巻き付け、横糸として麻ひもを交差させて結っていきます。なわの太さの違いでそれぞれ個性が作品に表れるのも面白いところ。

昔もこうやって、身近にあるものをうまく使ってものを作っていたのかも。

最初の準備のおかげで、午前10時から参加した人も午後から参加した人も、自前のわら縄で作ることができました。市販のわら縄も用意してありましたが、誰も使わず、全員自分で綯った縄ひもの長さで、それぞれできるものを作りました。一番乗りは小学5年生の女の子。

小学生のお母さん「こんなわらからできちゃうんですね〜」

みんな「写真撮って!」というほど大満足の出来栄え。完成に間に合わなかった人はわらを持ち帰りました。

縄の綯い方を教えてくれた、本原さんのお父さん「小さい頃からやっていて覚えていた。わらじとか作っていた」

本原 令子

「災害時にも活用できるかもしれないね」

20代学生「自分たちで育てたわらを靴やポシェットにしたりと、無駄にせず使おうとする精神が、今の私たちにはあまりないかも」

アートロのモットーは「時給自足は道具から!」 今回、わらから縄を綯い、編むところまで教えていただきましたが、実は編むことよりも大事で大変なのは、材料の準備でした。弥生の人も、農作業の合間に準備をしていたのかもしれません。

(ライター:永野香里)