2017年度 1日講座 第1回
『収穫祭で、ポロロ~ん!板琴をつくる』
開催日時2017年10月15日
場所静岡市立登呂博物館

ポロロ~ン!で、セッションまでしちゃいました。

アートロでは、物づくりの1日講座も開催しています。
1日講座1回目は「収穫祭で、ポロロ~ん!板琴をつくる」。講師は木工作家の渡邊浩幸さんです。

弥生時代の遺跡は全国各地にありますが、琴が出土しているところと、していないところがあるんだそう。登呂は、出土している遺跡です。
ただ、板は残っているけれど、弦は残っていないため、その素材が何だったかは分かりません。なので、参加者みんなで作って実験してみます。

本原 令子

家を作った端材で作って、みんなでポロロ~ンてしてたんじゃないかな

渡邊さん「試しに作ってみたら、いい音を鳴らすにはいい材料が必要だった。収穫祭などの神事に使っていたなら、琴のために素材を厳選していたのでは?」

渡邊さんから工程の説明、そして「自分がどこを目標にするのか決めて下さい」と挨拶がありました。音を鳴らすこと?形にこだわること?
みなさんおのおの「理想の板琴」をイメージしてさっそく作業に取り掛かります。

この日のために伐採した杉の丸太を切るところから。なたとトンカチで木を割るのなんて初めて…という人がほとんど。一人では難しいので、手が空いている人が支えます。自然とみんなで協力し合ってる!

切った板はバーナーで表面を焼き、擦ることでささくれがなくなり、滑らかになります。弦をどこに何本張るかは、それぞれの好み。そして何の糸にするのかも。

木綿糸、絹糸、三味線の糸、テグス、カラムシなどなど…糸をはじいてみて音を確かめる人の姿も。
繊維の専門家・本間さんが、細く割いたカラムシを撚って1本の糸に。

本原 令子

ニカワでコーティングしたカラムシが、とてもいい音がしていた気がする!

早々に音を鳴らしている人、糸張りに悪戦苦闘する人、板に色を塗る人…それぞれの個性とこだわりが生まれ、約3時間後にほぼ完成しました。
音楽家の片岡祐介さんの「みんなでセッションしてみましょう」の声で、おのおのの琴を手にセッション開始(ソロもあり!)。糸の種類や張り方によって、音色も十人十色の「ポロロ~ン」は、想像以上にささやかで牧歌的でした。
当日はあいにくの雨だったけれど、晴れた空の下で奏でたらどんなだっただろう?鳥の声や風の音の中に混じったら? 弥生の人たちもこの「ポロロ~ン」で、収穫を喜んだのかもしれませんね。

参加者の声

60代女性「立派な木工作品でした」

50代男性「こんな板で音が出るなんて!楽器の原点って、こういうものかも」

琴を習っている小学生「面白かった」

板琴は朱かった? 塗料について。
登呂から出土した板琴には朱、色が施してあったといいます。今回、当時を想像して板琴を塗ろう!と、膠(にかわ)に弁柄を溶いて、塗料にしてみました。(漆で溶いたのではないか?という説もあるが、定かではない)。
膠は、アートロメンバーの澤野くんが鹿を撃つところから作ったお手製です。
http://artoro.jp/2017-0208-nikawa02/

弦は、からむしを縒って、膠を塗ったもの。
*からむしは、昭和村からむし生産技術保存協会さんからご提供いただきました!ありがとうございます。

(ライター:永野香里)