2017年度 連続講座 第1回 本当にこんなカタチだった??
遺構の発掘体験
開催日時2017年10月15日(日)
13:00〜16:00
場所登呂遺跡公園

発掘は、本当に大変だったけど、みんなで力を合わせました。

 1回目のテーマは「本当にこんなカタチだった?遺構発掘体験」。遺跡公園内にある発掘体験用の住居跡を実際に掘ってみました。講師は、静岡市立登呂博物館の伊藤寿夫館長です。

 集合場所の一角、よく見ると平たく円形に土が盛り上がっています。
伊藤館長「この下に馬蹄形の基礎が埋まっています。実際に自分たちで考えながら掘ってみて、どうやって遺構が見つかるのか体験して、妄想して下さい」

まず参加者全員で、円に沿ってぐるっと歩いてみます(これでだいたいの大きさが分かります。)そして、円の直径を十字に測定。するとまんまるではなく「楕円」であることが判明。
「発掘は、やみくもに掘るのではなく下の状況を確認してから残りを掘る」(伊藤館長)ため、円の中心を探し、そこを起点に掘る場所を決めます。
 メジャーや糸を駆使して中心点を出した後、50㎝幅にL字型の溝=トレンチを掘る場所を決定。みんなスコップや鋤簾(じょれん)を手に、黙々と掘り始めます。
「土は垂直に掘ること。掘った土は一方向に上げること。掘り進めて、白っぽい土に変わったらそれ以上は掘らないこと」

…が、想像した以上に土が硬い…掘っては土をかき出し、かき出しては掘り…
「白っぽい土って、どこまで掘った出るんだろう…?」終わりの見えない「労働」がだんだん辛くなってきた頃、明らかに色の違う土が! 参加者全員で確認した後、一気にモチベーションがアップ!休憩を挟み、一気に掘り進めます。
スコップの人が直角に掘り、鋤簾の人が土を上げるという役割分担も生まれました。溝の中には出現した白い部分とそうでない部分を円形に沿って延長線で結ぶと、土手と室内の床面であることが想像できました。
さらにその一角には床面とは違う大きさの四角いものが。
「柱の跡です。この中に板を敷き、柱を立てて埋めたんです」

最後に、せっかく掘った土をもう一度埋め戻して終了。
掘るのはあんなに時間も労力もかかったのに、戻すのはあっという間でした。

振り返りでは、さまざまな疑問や発見が飛び出しました。

小学生「発掘って、刷毛みたいなのでやると思っていたけど、スコップで掘ると分かった」

20代女性「家が、丸いのはなぜ?」

30代女性「どんな道具で掘っていたんだろう?」

70代男性「自宅を改築するとき、遺跡と同じ階段が出てきた」

伊達さん(建築家)「広さを確認してみると、今のリビングルームとほぼ同じ広さ。スケール感はそんなに変わらないのでは?」

そこから浮かび上がってきたのは、家づくりはみんながそれぞれの役割で支え合って行っていたのでは、ということ。
家の大きさ、それを造るために想像以上の労働力が必要なことが分かった第1回でした。
(ライター:永野香里)